【コピペでOK】個別株の調査をNotebookLMで時短|一次情報を数分で深掘りする手順

AI活用術

個別株を本気で調べたいけど、有報やIR資料を読む時間が取れない…
AIを使って、効率よく企業を深掘り分析したい!

気になる銘柄を打診買いした後、本格的に資金を投入するかどうか判断する場面では、その企業を本当に理解できているかを見極める「深い調査」が欠かせません。事業の稼ぎ方、競争優位性、顧客構造、ガバナンス、競合との位置関係——本来であれば、こうした観点を一次情報で丁寧に押さえてから本玉を入れるべきです。

しかし現実問題として、有価証券報告書や決算説明会資料を1銘柄ごとに丁寧に読み込んでいると、調査だけで数時間から数日かかってしまいますよね。本業のあるサラリーマン投資家にとって、この時間の捻出はかなり厳しいものがあります。

この「深く調べたいけど時間がない」という壁を壊してくれるのが、Googleの提供するNotebookLMです。

この記事では、個別株の調査をNotebookLMで時短する具体的な手順を、コピペで使える5つのプロンプト付きで紹介します。ぜひこの記事を参考にして、あなたの調査フローをアップデートしてみてください!

なお、5つのプロンプトを紹介していますが、NotebookLMによる個別株分析のプロンプトをまとめた書籍を販売しています。

各分析テーマごとにコピペで使えるプロンプトがまとまっているので、本記事を実践してさらに踏み込みたくなった方は、あわせてチェックしてみてください。なお、Kindle Unlimitedで無料で読めますので、併せて確認してみてください!

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【結論】コピペで使える5つの調査プロンプト

やることは「NotebookLMに資料を読み込ませ、用意したプロンプトを貼る」だけです。

難しい設定もコード知識も不要です。まずは全体の流れと推奨ソースを押さえ、あとは下のプロンプトをコピペして使ってみてください。

理由や仕組み、詳しい準備手順は後の章で解説します。

まずは全体像(3ステップ)

使う流れは、たったこれだけです(各手順の詳細は後の章で解説します)。

  • ステップ1:調べたい銘柄ごとに、NotebookLMで専用ノートブックを作成する
  • ステップ2:有報・決算説明資料・中期経営計画などのPDFをドラッグ&ドロップで読み込ませる
  • ステップ3:下記のプロンプトを①→⑤の順番にコピペして質問する

推奨ソース(NotebookLMに入れる資料)

調査の精度は、入れる資料でほぼ決まります。まずは以下の一次情報をインプットしましょう。

  • 有価証券報告書(直近1〜2期分)
  • 決算短信(直近1〜2期分)
  • 決算説明会資料(直近1〜2回分)
  • 中期経営計画資料(あれば必須)
  • 競合他社のIR資料(プロンプト⑤の競合比較で使用)

プロンプト①|事業内容・ビジネスモデルをつかむ

「この会社は何で・どうやって稼いでいるのか」を腹落ちさせる、すべての調査の出発点になるプロンプトです。

この会社の事業内容を以下の観点で整理してください。

1. 主力となる事業の概要(何を、誰に、どうやって提供しているか)
2. ビジネスモデルの特徴(フロー型かストック型か、収益化の仕組み)
3. 売上が立つまでのプロセス(顧客獲得から売上計上までの流れ)
4. 利益の源泉(どこで主な利益が生まれているか)

専門用語は避け、初めてこの会社を知る投資家にもわかるように記述してください。

プロンプト②|取引先と顧客構造を掴む

「誰に売っているか」「顧客がどれだけ分散しているか」は、業績の安定性とリスクの大きさを判断するうえで欠かせません。特定顧客への依存リスクの下地もここで作れます。

この会社の販売先・顧客構造について以下を整理してください。

1. 主要な販売先(社名が開示されている場合は具体的に)
2. 売上に占める上位顧客の割合
3. BtoB/BtoCの比率
4. 顧客が特定企業や特定業界に偏っているかどうか
5. 顧客との取引が長期的か、短期的か

特定顧客への依存リスクが見られる場合は、その点も明示してください。

プロンプト③|強みと競争優位性(モート)を見極める

長期的に高い利益を維持できる企業には、競合が真似できない「モート(経済的な堀)」があります。一過性の好調か、構造的に強い会社かを見極めるためのプロンプトです。

この会社の競争優位性について以下の観点で分析してください。

1. この会社が持つと考えられる強み(技術・ブランド・規模・ネットワーク・特許・顧客基盤など)
2. その強みが競合他社と比べてどのように差別化されているか
3. その強みが今後5〜10年維持できる根拠
4. 強みを脅かす可能性のある競合や代替技術
5. 経営陣自身が「自社の強み」としてどのように説明しているか

資料内に記載がある内容と、資料から推測できる内容を分けて整理してください。

プロンプト④|経営陣・ガバナンス・株主構成を確認する

長期保有を前提にするなら、「企業を動かしている人と資本」のチェックは必須です。財務だけでは見えない「経営の質」を確認するプロンプトです。

この会社の経営陣・ガバナンス・株主構成について以下を整理してください。

1. 経営陣の構成(代表取締役の経歴、在任期間、主要役員の経歴)
2. 社外取締役の人数と独立性
3. 大株主の構成(上位10社/個人、外国人株主比率、安定株主の有無)
4. 創業家・親会社・持ち合いの状況
5. 役員報酬の決定方針と、業績連動の有無
6. ガバナンス上の懸念点(同族経営、社外取締役の少なさ、不透明な関連当事者取引など)

プロンプト⑤|競合他社との財務比較を行う

競合の決算資料も同じノートブックに入れたうえで投げるプロンプトです。業界内での相対的なポジションが一気に可視化されます。

分析対象企業(A社)と、同業他社(B社・C社・D社)の財務指標を横並びで比較してください。

1. 売上高・営業利益・営業利益率(直近2〜3期分)
2. 売上成長率(年率)
3. 自己資本比率と有利子負債の水準
4. ROE・ROIC
5. 営業キャッシュフローのトレンド
6. 配当性向・総還元性向

各指標について、A社が同業他社の中でどの位置にいるか(上位・中位・下位)を明示してください。
A社の強みとして際立つ項目、弱点として目立つ項目を最後にまとめてください。
表形式での出力を優先してください。

実行順序の考え方

5つのプロンプトは、上から順に投げるのがおすすめです。

①ビジネス理解 → ②顧客構造 → ③強み → ④経営の質 → ⑤競合との相対比較、という流れは、「定性的な理解」から「相対的な評価」へと自然につながる王道の調査順序です。

慣れてきたら、自分の関心に合わせて順番を入れ替えたり、項目を追加したりして、自分専用の調査ワークフローを作っていきましょう。

次の章からは、なぜこのやり方有効なのか、そして実際の準備手順を順番に解説していきます。

なぜNotebookLMが「本玉を入れる前の調査」に最強なのか

「個別株の調査ならChatGPTでもよくない?」と思うかもしれません。

しかし一次情報を正確に読み解いて深掘りする用途では、NotebookLMに明確な優位性があります。理由は3つです。

嘘をつかないAI=投入資料の範囲だけで答える仕組み

ChatGPTのような大規模言語モデルは、膨大なテキストを学習し「次にくる言葉を予測する」仕組みで動いています。便利な反面、学習データにない情報や曖昧な問いに対しても、それらしい答えを生成してしまうことがあります。

個別株の調査でこれをやられると、存在しない取引先や事実と違うガバナンス情報を「もっともらしく」答えられてしまいます。投資判断の根拠としては致命的です。

一方のNotebookLMは、自分がアップロードした資料の範囲内でしか回答しません。資料に書かれていないことは「この資料からは判断できません」と返してきます。

さらに回答には、根拠となった資料の該当箇所が添えられます。数百ページの有報の中から必要な情報を正確に拾い上げ、「どこに書いてあったか」を示しながら答えてくれるため、調査結果の信頼性を自分で検証できるのです。

打診買いの次、ポジションを大きくする前に効く

株式投資では、資金の投入を段階的に行うのが基本です。気になる銘柄を見つけて少額で打診買いをし、そこから本格的にポジションを積み上げるか判断するために「深い調査」を行う——この後半部分こそが、NotebookLMが最も力を発揮する場面です。

打診買い段階の概要把握ならChatGPTでも十分です。しかし本格的に資金を投入する前は、その企業を本当に理解しているかを確かめる必要があります。

個人投資家が大きな損失を被るパターンの多くは、業績悪化の構造的なサインや、ガイダンスと実態のズレを事前に読み切れていなかったケースです。これらは一次情報を丁寧に読み込めば兆候が見えることが多いのに、時間がなくて見過ごされてしまいます。NotebookLMはこの読み込みのコストを、劇的に下げてくれます。

スクリーニングはChatGPT、深掘りはNotebookLM

誤解のないように補足すると、NotebookLMは万能ではありません。

注目銘柄のスクリーニング、最新の市況把握、マクロ環境の概要確認といった「広く浅く」の用途は、Web検索に対応したChatGPTやGeminiのほうが圧倒的に得意です。

役割を整理すると、銘柄候補の絞り込みや市況チェックはChatGPT・Gemini、特定企業の一次情報を正確に深掘りする本格調査はNotebookLM、という使い分けになります。

両者は目的がそもそも違うツールだと理解しておくと、AIを投資に活かしやすくなります。

実践のための準備(調査用ノートブックの設計)

結論のプロンプトを最大限に活かすには、「ノートブックの設計」と「ソース選び」がカギになります。

NotebookLMはアップロードした資料の範囲で回答する以上、何をどう入れるかで分析結果の質が大きく変わるからです。

ここでは個別株調査における準備のポイントを3つに分けて解説します。

銘柄別ノートブックで分析履歴を資産化する

まず大前提として、ノートブックは銘柄ごとに別で作るのがおすすめです。

1つのノートブックにあらゆる資料を詰め込むのではなく、「A社の調査用」「B社の調査用」と分けておくことで、思考の整理がしやすくなりますし、過去の分析を振り返るときにも便利です。

新しい決算が出るたびに資料を追加していけば、そのノートブック自体が「あなた専用の銘柄分析データベース」として育っていきます。継続保有銘柄や、本格的にポジションを取ろうとしている銘柄ごとに、1つずつ作っておきましょう。

比較用ノートブックで競合を横並びにする

プロンプト⑤の「競合他社との財務比較」を行うときは、別途「比較用ノートブック」を作るのが効率的です。

同じ業界の競合3〜5社の同年度の決算資料をまとめて入れることで、利益率、成長率、財務体質、IR方針などを一度に比較できる状態を作れます。

投資判断において競合との相対評価は欠かせない要素なので、メイン銘柄1社につき1つの比較ノートブックを用意しておくと、調査の精度がぐっと上がります。

ソースは「信頼できる一次情報を、絞らず多く」入れる

よくある疑問が「目的別にソースを絞ったほうがいいのか」という点です。結論として、その絞り込みは不要です。

NotebookLMは質問の段階で関連情報を抽出して回答するため、資料が多くても回答が散らかることはほとんどありません。むしろ複数の資料を同時に入れておくことで、「有報のリスク記述」と「決算説明会の質疑応答」がつながるなど、想定していなかった発見が得られるメリットのほうが大きくなります。

意識すべきは「絞り込み」ではなく「信頼できる情報を見極めること」です。企業が公式に開示している一次情報を中心に据え、出典不明の個人ブログや信頼度の低い記事は混ぜないようにしましょう。

アナリストレポートは補助的に使う分には問題ありませんが、メインは常に一次情報、が原則です。

調査を自分のワークフローに育てるコツ

結論で紹介したプロンプトをそのまま使うだけでも、十分に企業の輪郭はつかめます。ただ、自分の投資スタイルに合わせて育てていけると、調査の精度はさらに上がっていきます。

ここでは2つのコツを紹介します。

紹介したプロンプトの順番をそのまま「型」にする

結論で挙げたプロンプト①〜⑤は、「定性理解 → 相対評価 → 数字での裏付け」という王道の調査フローに沿った順番で並んでいます。

最初は深く考えず、この順番をそのままなぞって使うのがおすすめです。何銘柄か調査するうちに、自分が特に重視したい論点(モート重視、ガバナンス重視、競合比較重視など)が見えてきます。

そうなったら、そのプロンプトを最初に持ってきたり、別のプロンプトを差し込んだりして、自分専用の調査テンプレートに育てていきましょう。

派生プロンプトをChatGPTやGeminiに作らせる

一番のおすすめは、紹介したプロンプトをベースに、深掘りしたい論点に合わせた派生プロンプトをChatGPTやGeminiに作らせる方法です。

たとえば「ある上場企業のサブスクビジネスを分析するために、NotebookLMに投げるプロンプトを作って。読み込ませる資料は有報と決算説明会資料。リピート率や解約率の観点を入れたい」と依頼すれば、業界特性に合わせたプロンプトのたたき台を用意してくれます。

「自分のベースプロンプト+AIに派生を作らせる」の組み合わせを覚えておくと、業種や論点に応じて柔軟に応用できるようになります。

まとめ|数時間の調査を、数分の対話に変える

個別株を本気で調べようとすると、これまでは「一次情報を自分で隅々まで読み込む」しか方法がありませんでした。時間がないからと諦めて二次情報に頼ると、本当に重要な兆候を見逃します。

NotebookLMに一次情報を投入し、この記事で紹介した5つのプロンプトを貼るだけで、その壁は「数分の対話」に変わります。打診買いの次、本格的にポジションを取る前のタイミングで、ぜひ使ってみてください。

なお、銘柄1社の調査なら有報・決算説明資料・中期経営計画を入れてもソース数は10〜20個程度に収まり、無料プランの範囲で十分対応できます。まずは無料プランで、気になる1銘柄を試してみるのがおすすめです。

この記事では「個別株の調査」に絞って5つのプロンプトを紹介しましたが、リスク分析・マクロ環境の読み解き・保有後の継続評価まで含めた、NotebookLMによる個別株分析を体系的にまとめた書籍を販売しています。

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